自然派ワインは、化学肥料や除草剤などによって土壌が痩せていってしまった反省から、環境に配慮し、その土地が本来持つ力を育てることで未来にも持続可能な環境を作ろうという考えから始まりました。
その理念に感銘を受け、南フランスの自然派ワイン農家に視察に訪れていた私に、生産者の方が尋ねました。「ムッシュヤマダ、君の住んでいる島で自慢できるものは何だい?」
島の未来を心配し、世界の素晴らしい造りの生産物を仕入れようと必死で遠くの地ばかり見ていた私は、そのとき何も答えらず頭をハンマーでガツンと殴られた思いでした。
「八丈島には江戸時代から続く伝統の島焼酎があり、その他にもくさや、明日葉、岩海苔など島独自の自然と共存した文化や伝統がここにはあったじゃないか!」
南フランスのワイン生産者の一言を受けて、
「こんなに遠いところまで時間とお金を費やさなければ、足元にある大切な生産物に気づかなかったのか...」。
ようやく島の良さを知った私は、日本への帰りの飛行機の中で、悔し涙が溢れて来るのを抑えることが出来ませんでした。
八丈島から少し外に目を向ければ、東京諸島の島々があります。
本州から高速船でたった45分の大島から、船で24時間かかる小笠原まで、その歴史や風土は似ているようで異なります。
九州から八丈島に伝わった焼酎作りは、各島に伝わり独自の文化を形成しました。そして現代になり、焼酎以外にも神津島の地のものを使ったクラフトビールや、小笠原の海底で熟成したラム酒など各島々で作られた個性豊かなお酒が生まれています。
東京諸島を周り、蔵元や農家などの生産者の方々に直接お会いすると、それぞれが皆、その土地を愛し、敬意を払っているのを感じました。
その想いは離島だけではなく、全国、全世界の生産者が同じでしょう。
山田屋では八丈島、東京諸島の自然の恵みを使った生産者を支援するとともに、全国それぞれの土地を感じる商品を島民の皆様にお届けすることを自分たちの役割と考えています。
島で食べたあの味にまた会いたい!噂の島の味を食べてみたい!そんな声にお応えした八丈島の酒類問屋が運営する東京諸島のうまいもの自慢 しまーけっと東京。
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